このタイトルに ちょっと うっとうしく思われているかと心配な今日この頃です。
さて、”事件は現場で起きている!”その現場も佳境を ようやくすり抜けて、エントランス入口の工事も終わりにさしかかっています。
前回、前々回でお判りかと思いますが、私が担当しているこの建物とその設計事務所が提案するものは ひと味違う感じで、エントランスのデザインも一筋縄では施工できませんでした。
壁は例のあみだくじ模様 ミラー底目地 しかも入口や換気口 配管の控え金具などすべて現状にある中で化粧面材を貼っていかなければなりません。
今回は図面通りには出来ませんでした。
言い訳をすると、パネルのまん中に切り込みを入れずに金具を通したり、幅を3~5センチ残してつながった状態で貼り付けたりすることは・・・・・・無理です。(手品師じゃないんだから)
でも、かなり近いイメージにはなったと思います。
壁は基本のラインを出し、出隅・入隅のパネルをつなげるためのズレを計算してラインを入れて、後は職人さんが図面を元に「目地のラインこのあたりやったら大丈夫かナァ~!!」なんて言う感じで難所を乗り越え、見事に施工が終わりました。
でも、その前にもっと難しかったのは、エントランスポーチのアールの階段とスロープ、さらにそこに付いてるアールで勾配になってる手摺です。
アールの中心はどちらも建物の中で高低差もあり、中心からロープを引っ張って円を描くというわけにはいけません。
そこで、”計算のイシカワ” の腕(脳みそ?)の見せ所です。
縦横に基準線を引き、そこからx,Yの距離を計算してポイントを出し その点と点をつないでいき円を描いていく、サインコサインタンジェントの世界です。
CADとEXELを駆使して、ミリ単位で計算するのですが、ポイントを落とす相手は紙では無く地面です。
そんなにうまくいかず、最終的にはなんとか出したポイントをペイントスプレーを使いフリーハンドで半円を描いていきました。
職人さんは「なんやっ!! 結局フリーハンドで ・・・しかもスプレーってぼやけたラインやなぁ~!!!」と言いながらも、そこは職人さん。
まずは下地のブロックを見事に積み上げ、次にタイルや左官の施工も水が溜まらないように勾配を考えながらアールを微調整して形作ってくれました。
いつもながらの見事な職人技に感謝です。